(c)shinichi kyousen suzuki2003 / 無断転載お断りします

松井如流  自詠自書の世界

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ひと曲り梅さく村に出でにけり しろじろあかし山の麓は

みどりこき中にむらがる赤き花
田澤への道がたかまりてゆく

起きていてものに倦むに似つふくる夜の 月に向かひてしばしををれば
赤松の林の中に驛ありて 明日はすがし混める電車も
さつき山我が越えくれば朴の葉の あやにあかるし長名頬の葉
道のべに野生の柿の小さき實 あまり愛されぬ枝をのばして

久びさにねむりたらひし朝の眼に
ゆららに光る泰山木の花

あしたより松葉牡丹が花ひらく あつくなる日のきまりなるべし
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